自社でECサイトを用意せず、ショッピングモール型のECサイトで販売を行う企業が増えていています。
その最もたる理由は、ショッピングモール型ECサイトが保持している集客力の高さです。
なぜ、多くのユーザーがショッピングモール型ECサイトに集まってくるのでしょうか。
そして、そうしたショッピングモール型ECサイトへの出店をチョイスせず、自社のECサイトを設ける企業が存在するのはなぜなのでしょうか。
今回は、ショッピングモール型ECサイトの集客力についてお話しします。

欲しいものを探しているユーザーが集まる

国内のショッピングモール型ECサイトとしては、「Amazon Japan」「楽天市場」が代表的です。多くの事業者がこうしたECサイトに出店を行い、
高い集客力を誇っています。この集客力の秘密を探るため、ユーザーが買い物をするシチュエーションを考えてみましょう。
あるユーザーは家族へのプレゼント用に何かいいものがないか探しています。また別のユーザーは新生活のための家具を探しているかもしれません。
このように多くのユーザーは既に欲しいものを決めているわけではなく、「何かいいもの」「欲しいもの」を探しているのです。

実際のショッピングモールでは膨大な数の商品がラインナップされており、何を買うか漠然としか決めていない顧客であっても、ニーズにマッチする商品を見つけられます。
類似した商品の比較もできるでしょう。特に欲しいものがなくても、レジャーとしてショッピングモールに足を運ぶ顧客も多いはずです。
Web上のショッピングモールにも、そうした「欲しいものを探しているユーザー」がたくさん集まってきます。
足を運ばなくてもいい手軽さや商品の比較検討が容易な点を鑑みると、集客力の高さは当然と言えるでしょう。

大型サイトならではの強い安心感・ユーザビリティー

ECサイトでの買い物が一般的になると同時に、ユーザーはそれぞれのサイトを安心感を基準に判断するようになりました。
特にセキュリティ意識や個人情報の取扱方法といった要素は、ユーザーがサイトを評価する大きな基準となっています。
「Amazon」「楽天」といったサイトは、ユーザーに安心感を与えるのに十分なネームバリューを持っています。

また、大型のECサイトは購入した後のユーザーサポートも手厚く行っています。
ポイント制や、クーポン、タイムセール割引など、ユーザーを囲い込む取り組みも盛んです。
自社で抱えている小規模なECサイトでは、ここまでのメリットをユーザーに提供するのは難しいかもしれません。
こうした大型サイトならではのメリットは、集客力に大きく貢献していると考えられます。
「インターネットで買い物するときはショッピングモール型ECサイトを利用する」と決めているユーザーも少なくないでしょう。大型サイトには、上述した動機で欲しいものを探して集まったユーザーを逃さない体制が整っているのです。

自社でECサイトを持つ理由とは

上述したショッピングモール型ECサイトの集客力を考えると、自社でECサイトを設立する理由はないように思われるかもしれません。
しかし、いくつかの問題からショッピングモール型ECサイトへの出店も万能の解ではないのです。
自社でECサイトを持つ理由について、以下でご説明します。

コストの問題

ショッピングモール型ECサイトへの出店には、月額の出店料に加え様々なランニングコストが発生します。
売上に対するマージンも、利益を圧迫してしまうでしょう。一方、自社のECサイトではそうした運営コストを少なくできます。

運営の独自性

大型ECサイト内の出店では、そのサイトのフォーマットに従ったページ設計にする必要があります。
その結果として、ユーザーにはどの出店事業者から買っても「Amazonで買った」「楽天で買った」というように大型ECサイトの印象しか残らないケースがほとんどでしょう。
一方の自社ECサイトであれば、ページの作りからレイアウトまで思いのまま。利用したユーザーには「あのサイトから買い物した」というはっきりとした印象を残すことができます。

おわりに

ご紹介した理由からわかるように、ショッピングモール型ECサイトの集客力が高いのは、紛れもない事実です。
今後もその安定が崩れることは考えづらいでしょう。一方で、決して全ての事業者にとってショッピングモール型ECサイトへの出店が最適解でないこともお伝えしたとおりです。
運営手腕によっては、集客力の高いショッピングモール型ECサイト以上の売上をあげられる可能性も十分にあります。
重要なのは、それぞれのメリットを理解し、展開ビジネスや商品にあわせたチョイスをすることです。ショッピングモール型ECサイトと自社のECサイトをハイブリッドで運営している事業者も存在します。
それぞれのシチュエーションにあわせて、柔軟なビジネス展開を行ってください。


参考URL:
■https://ischool.co.jp/2017-04-19/
■https://www.rakuten.co.jp/ec/start/knowhow/
■http://www.ebisumart.com/blog/in-house/