ECサイトで販売しているより多くの商品をユーザーに購入してもらい、客単価のアップをはかりたいなら、クロスセルが有効です。
自社サイトのブランド力を確立するためにも欠かせない、クロスセルについてお伝えします。

クロスセルとは

クロスセルとは、ある商品を購入したECサイトのユーザーに対して、その商品と関連する別の商品を販売することを指します。
クロスセルを説明する際にしばしば用いられるのは、ファーストフード店におけるクロスセルの手法です。
たとえば、ハンバーガーを購入した際、同時にハンバーガーとよく合うポテトやジュースを勧められることがあります。
この場合の、ポテトやジュースがクロスセルということです。
ハンバーガーと一緒にポテトを注文するのは、たくさん食べたいユーザーにとってもメリットがありますし、客単価をアップしたいファーストフード店にとってもメリットがあります。

クロスセルのメリット

クロスセルのメリットとしてまず挙げられるのは、客単価の向上です。クロスセルでユーザーが自社サイトの商品をより広く購入するきっかけを作ることで、ユーザー1人あたりの売上アップを期待できます。このようにクロスセルを上手に活用すれば、ECサイト全体の売上を一気に引き上げるのも不可能ではないでしょう。
また、クロスセルによってユーザーが自社サイトの商品を複数購入することで、サイトのファン獲得につながるケースも考えられます。より多くの商品に関心を持ってもらえることで、特定の商品だけでなく、ブランドとしてのECサイトの魅力を確立できます。ブランドとしての価値を上手く確立できれば、自社サイトは息の長いECサイトになるでしょう。
このように、クロスセルとはECサイト運営において欠かせないものです。しかしながら、ユーザーのニーズを無視したクロスセルは、まるで押し売りのような印象を与えるなど、逆効果となることがあります。あくまでユーザーがお得感を得たり、自社サイトのファンになったりするようなクロスセルを打ち出していきましょう。

ECサイトにおけるクロスセルの事例

実際のECサイト運営において考えられる、クロスセルの事例をご紹介します。
自社サイトに近い事例を参考に、ユーザー目線のクロスセルを考案しましょう。

クロスセルの事例1

女性向け化粧品を販売しているECサイトの事例です。「洗顔料」を購入したユーザーに対して、クロスセルで「化粧水」や「乳液」を始めとした基礎化粧品を販売します。多くの女性は、洗顔料を使って顔を洗った後に、化粧水や乳液を使ってスキンケアをします。この一連のスキンケアアイテムを自社サイトから購入することで、ユーザーは利便性を得られるようになるでしょう。また、使用感が良かった洗顔料と同じECサイトで販売されている化粧水や乳液ということで、他の商品に対する信頼感が高まります。

クロスセルの事例2

スポーツ用品を販売しているECサイトの事例です。ランニングウェアを購入したユーザーに対して、クロスセルでダイエット向けの健康食品やサプリメントを販売します。
スポーツを始めたばかりのユーザーは、健康的な体重を目指し、運動不足の解消に加えて食生活の改善を目指していることが予想されます。
日々仕事で忙しい社会人は外食続きになりがちで、手軽に食生活を改善できる方法を模索しています。
スポーツを始めたついでに食生活に対する意識も変えられたというメリットを実感しやすいクロスセルです。

ECサイトのクロスセルを成功させるためのポイント

最後に、ECサイトでクロスセルを成功させるためのポイントをご紹介します。

購入直前にクロスセルの商品を表示させる

ECサイトで商品を購入する際、注文を確定する直前にクロスセルの商品を表示させましょう。
商品の注文を確定する間際に、気になる商品が表示されることで、一度の買い物でまとめて購入しておこうという意識がはたらきます。
ECサイトでの買い物には、送料や商品を受け取る手間がかかわってくるため、このような購入直前のアプローチが有効です。

セットにしてメリットをアピールする

よく売れる商品とクロスセルで販売したい商品をセットにしましょう。その際は、きちんと関連性のある商品を選ぶとともに、抱き合わせで購入するメリットをアピールしましょう。たとえば事例1で考えると、「一緒に使うと、美白効果をより期待できる洗顔料と化粧水がセットで5%オフ。」となります。ユーザーにとっては、いつもの商品をお得に購入できる上に、美白効果を期待できるというメリットがあります。

おわりに

今回は、ECサイト運営において重要なクロスセルについてお伝えしました。クロスセルは客単価の向上につながり、ECサイト運営者にとって大きなメリットが得られます。しかし、クロスセルを成功させたいなら、同時にユーザーにとってのメリットも考える必要があるでしょう。ユーザーが、自社サイトの商品に興味を持ち、自社サイトのファンになるような魅力的なクロスセルを考えていきましょう。


参考

http://www.sascom.jp/ma_semi/session/heibai/heibai1.html
https://marketingis.jp/archives/2402
http://keishixx.com/archives/3666
http://conlabo.jp/cross-selling-622
https://www.tsuhan-marketing.com/blog/archives/tag/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%BB%E3%83%AB
https://www.tsuhan-marketing.com/blog/archives/2739