多くの人がオンライン上で買い物をするのが一般的になった現代――。
これからECサイト運営をお考えの方のために、開業を成功させるために最初にやるべき施策についてご紹介します。
運営を始める前に、自社サイトのビジョンをしっかりと考慮しておきたいですね。

商材の販売に必要な資格・申請・許可の確認

開業を成功させるためには、最初に商材の販売に必要な資格・申請・許可について確認しておきましょう。
必要な手続きをしないままで開業をするのは不正行為となりますから、絶対に避けてください。自社で取り扱う商品の種類と、それを販売するための必要な手続きについてまとめておくと安心です。

食品関係を販売する場合

食品を販売する場合は、保健所に「食品衛生法に基づく営業許可」の届け出をする必要があります。
また、販売する食品が健康食品である場合には、保健所および都道府県の薬務課に「医薬品医療機器等法に基づく許可」の届け出をする必要があります。酒類を販売するなら、税務署に「通信販売酒類小売業免許」の届け出をしましょう。

中古品を販売する場合

中古品を販売する場合は、警察署の生活安全課に「古物商許可」の届け出をする必要があります。中古品の買い取りをする場合も同様です。

化粧品を販売する場合

化粧品を販売する場合には、保健所に「化粧品製造販売許可」の届け出をする必要があります。販売する化粧品が医薬部外品にあたる場合には、「医薬部外品製造販売許可」の届け出も必要です。

医薬品を販売する場合

医薬品を販売する場合は、保健所および都道府県の薬務課に「薬局開設許可」「医療品販売許可」「特定販売届出」の届け出をする必要があります。

配送方法・決済方法を検討

ECサイトを開業するためにやっておきたいのは、配送方法と決済方法の検討です。
ユーザーにとっても運営者にとっても利便性の高い方法で、スムーズにやり取りができる準備をしておきましょう。

配送方法の選び方

配送方法には、郵便局を利用する方法と、運送業者を利用する方法があります。
郵便局の場合には「ゆうパック」というサービスを利用するのが一般的です。ゆうパックの料金は、荷物の3辺計が60cm以内でかつ30kg以内の時、800円となっています。基本的に発送は郵便局の営業時間のみですが、大きな郵便局やコンビニエンスストアへ持ち込めば、24時間受付をしてもらえます。
一方、運送業者はクロネコヤマトや佐川急便など、業者によって条件が異なります。クロネコヤマトの「宅急便」というサービスでは、荷物の3辺計が60cm以内でかつ2kg以内の時、料金が840円になります。基本的に集荷は19時までで、コンビニエンスストアへ持ち込めば24時間受付をしてもらえます。
いずれの配送方法も、最高30万円までの補償つきです。高額な商品を取り扱う場合には、補償は必須と考えましょう。ただし、商品の単価が低いのであれば、これらよりも安価でかつ補償のないサービスの利用を検討してもいいかもしれません。

決済方法の選び方

独自のECサイトを立ち上げるならば、決済方法を選ぶ必要があります。
決済方法には、クレジットカード決済・代金引換・コンビニ払い・銀行決済を始めとしたさまざまな種類があります。また、PaypalやLINEPayといったサービスを利用してものがあります。
中でもクレジットカード決済は、もっとも利用されている決済方法です。スマートに決済ができる、ユーザーにとっても利便性の高い方法となっています。ただし、万が一カードの不正利用等のトラブルがあった場合に、ECサイト側が返金対応をする必要があるなど、リスクもともないます。
銀行振込はリスクの心配がなく安心できる方法ではありますが、振り込み者が誰だか分からなくなる可能性があります。利便性の高い代金引換は、料金を回収できないおそれがあります。それぞれのメリットとデメリットを比較しつつ、自社ECサイトにもっとも適した支払い方法を選びましょう。

ECサイトのセキュリティ対策

オンラインで買い物をできる便利な時代になった反面、それにともなって情報漏えいが増えているのもまた事実です。
ECサイトでは、買い物をしたユーザーの個人情報を取り扱うことになります。ユーザーが安心して利用できる環境を整えるためにも、万全のセキュリティ対策について考えておきましょう。セキュリティ対策ソフトを導入するのは当然ですが、ECサイトのパスワード管理にも細心の注意を払う必要があります。
不正アクセスを防ぐためにも、他サイトと共通のパスワードは利用しないようにしましょう。

まとめ

今回は、ECサイト開業を成功させるために最初にやるべき施策についてお伝えしました。
取り扱う商材が決定したら、まずは販売に必要な資格・申請・許可を確認して、公正な取引ができる環境を整えましょう。
また、ユーザーが買い物をするために必要な配送・決済のシステムについても検討する必要があります。開業を成功させるために、ご紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。

ECサイト運営が軌道に乗ってくると、忙しさからすべての業務を自社で担当するのが難しくなることがあります。効率よく業務を回すためには、適度に業務を外注する必要があるでしょう。
今回は、サイト運営業務をどれくらいアウトソーシングするべきかについてお伝えします。業務効率を改善するために、ぜひ参考にしてみてください。

自社で行うべき業務

まずは、自社で行うべき業務についてご紹介します。
ECサイト運営における売上を高める業務、そして自社でノウハウを蓄積したい業務については、アウトソーシングを利用せずに自社で運営をしましょう。
比較的難しい業務や、自社ブランドの構築にまつわる業務は、自社で対応した方が安心できます。

マーケティング

マーケティングとは、ECサイトの売上アップのために必要となる業務です。
サイトのSEO対策だけでなく、リスティング広告を始めとした各種広告や、メルマガの配信など、やるべきことが数多くあります。それぞれのマーケティングの手法には、トレンドが大きく関係してきます。このような売上アップのためのマーケティングは、難易度の高い業務と言えるでしょう。
また、自社でノウハウを蓄積しておきたい業務でもありますから、コンサルティングのサービスを活用しつつも、基本的には自社で行うべきと言えます。

商品の企画

ECサイトでどのような商品を販売するのかを決定する商品の企画は、自社で行うべき業務のひとつです。
商品を販売するためには、自社サイトのユーザーのニーズをきちんと捉えている必要があります。また、実際に商品を仕入れるためには、運営者と業者との関係性の構築をしなければなりません。ユーザーから必要とされる企画を立てるためには、自社ブランドの魅力とユーザーの傾向についての理解を深める必要があるでしょう。
こういった意味で、ブランドのカラーを作り上げていく商品の企画は自社で行うべき業務です。

価格設定

自社サイトで販売する商品の価格設定のためには、ユーザーの傾向を分析する必要があります。
特定のユーザーにとって利用しやすいECサイトになるためには、価格帯も重要なポイントです。それぞれの商品の価格は異なりますが、ユーザーにとって求めやすい価格帯を外れてしまった商品は、なかなか売るのが難しいでしょう。
このように、ショップのカラーを作り出す価格設定は、自社で行うべき業務のひとつです。

外注すべき業務

ルーティンになりやすい業務や時間がかかりすぎる業務については、アウトソーシングを活用すると効率が良くなります。
また、アウトソーシングした方が、品質が高まりやすい業務もあるでしょう。外注するべき業務は専門の業者に任せて、よりスムーズにECサイトを運営できるといいですね。

サイト制作

ECサイトを立ち上げる際、初めの段階で必要となるのがサイト制作です。
運営者にスキルがあれば自由にサイトのデザインができますが、時間がかかるこちらの業務は専門の業者にアウトソーシングしてもいいでしょう。サイト制作を依頼すると、それなりにコストがかかりますが、その分デザインや機能性も最新のものを期待できます。ECサイトのデザインや使いやすさは、ユーザーからの印象に大きな影響を与えます。
運営者の好みではなく、ユーザーにとって使いやすいサイトを作るために、アウトソーシングを活用してみましょう。

サポート業務

サポート業務の中でも、なるべくアウトソーシングを利用したいのが、顧客対応です。
電話やメールフォームによって質問およびクレームの対応をしていきます。ユーザーからの連絡にスムーズに対応するためには、いつでも質問を受け付ける体制があると安心です。
電話対応のサービスやチャットツールなど、すみやかでかつ品質の高いサポート業務を依頼できる業者を見つけましょう。

集客プロモーション

集客プロモーションでは、各種広告やSEO対策によって自社サイトの知名度向上をはかります。
ショップを開店して間もない頃は、なかなかユーザーが増えずに苦戦することもあるでしょう。このような状況の中、一時的に集客プロモーションをアウトソーシングする方法があります。ただし、すべての業務を委託してしまうと、自社にノウハウが蓄積されないおそれがあります。
一部分だけアウトソーシングを利用しつつ、自社で業務を行える状態も視野に入れておきたいですね。

まとめ

今回は、ECサイトにおいて自社で行うべき業務と外注すべき業務についてご紹介しました。
自社でノウハウを蓄積したい業務や、自社のブランドにまつわる業務は、なるべく自社で行うべきでしょう。
その一方で、ルーティン的な業務や時間がかかりすぎる業務については、アウトソーシングを上手に活用できる部分です。
サイトの運用には、想像以上に多くの業務がつきものです。業務効率をアップして利益率を高めるためにも、アウトソーシングするべき業務について検討しておきましょう。