ECサイト運営におけるタスクのひとつとしてよく言われるのが「競合調査」です。
しかし、実際にどのような効果があるのか?具体的にどんなことをすればいいのか?といったことでお悩みの運営社様もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、競合調査・分析を行うメリットや、手順についてご紹介します。

ECサイトだからこそ競合調査は重要

リアル店舗に来店されるお客様というのは、決まった地域の中でいくつかの店舗を渡り歩き、店舗や商品の比較を行うと考えられます。
一方、ECサイトの場合は検索エンジンで目的のキーワードを検索後、平均で5〜8サイトの比較を行うと言われます。
この差はやはり、時間と手間をかけていくつかの店舗へ足を運ぶことなく、手軽にECサイトへアクセスできるインターネットショッピングならではの特徴と言えるでしょう。
こうして考えた場合、ECサイトにおける競合調査というのは非常に大きな存在になります。どのような魅力的な商品・サービスを提供していたとしても、サイトの使い勝手が悪ければ、使い勝手のよい競合サイトに売上・集客で負けてしまう可能性も十分にあるでしょう。この差を縮めることが、ECサイトにとっては重要な経営戦略になります。

競合調査

競合調査で見えてくるもの

競合調査を行うと、それまでに気づかなかったさまざまな強み・弱みを把握できるようになります。自社サイトはもちろんですが、競合サイトについても同様です。
全体を俯瞰で見つつ、どのような対策を行えばいいかを知ることは、改善に向けての大きなヒントになり得るでしょう。
なお、競合調査を行う際に、ついつい大手のサイトや業界で有名なサイトばかりに目を向けがちですが、
実はそれほど有名ではないECサイトの調査が思わぬ効果を生む可能性が高いです。
決して有名でないそのサイトが、なぜ現在も生き残れているのかなどを把握し、その“良さ”を採り入れることができれば、自社サイト改善に必ず役立つことでしょう。

競合調査の具体的な方法

ここからは、実際に競合調査を行う手順について紹介していきましょう。

STEP1.比較項目の洗い出し

まずは、自社サイトと競合サイトで比較する項目を決定します。この際に重要となるのが「ジツザイ化」と呼ばれる作業。
これは、ターゲットの生活や考え方、生活環境等をリアルにイメージすることで、その気持ちを把握し、どうすれば購入へのハードルを取り除けるか等を考える作業です。
いわゆるペルソナ設定に似ていますが、そこから一歩踏み込む手法と言えるでしょう。
ジツザイ化が済んでいると、どのようなポイントでお客様は心が動かされるのか?といった点が明確になります。
もちろん、項目はいくつか出てくるので、それをすべてメモしておきましょう。

STEP2.項目のカテゴライズ

見つかったポイントをカテゴリに分けていきます。たとえば「集客」「商品説明」「サービス」などに分類してみてください。
項目数が偏るようであれば、適宜まとめるなどして、バランスの取れた状態に整えましょう。

STEP3.項目ごとの採点

次に、それぞれの項目に点数をつけて数値上の評価ができるようにします。「商品説明は上手だけど、サイトデザインが使いにくい」といったぼんやりしたものではなく、
「商品説明は20点、集客は15点」という感じで具体的な数字に落とし込んでいきます。
最終的に、合計得点が100点になるよう調整すると分かりやすいかもしれません。
その後、自社サイトと競合サイトに点数をつけて比較を行います。
どの項目が負けているのか?競合よりも自社が優れているポイントは?などを確認していけば、その後のサイト改善に役立つはずです。

ツールの利用もおすすめ

競合調査を行う際、サイトへアクセスして目で見ただけでは分からない情報というのも多々あります。その場合に利用したいのが競合調査に役立つツールです。

SimilarWeb

SimilarWebは、URLを入力することでそのWebサイトに関するさまざまなデータの分析が行えるツールです。
月間訪問者数や検索キーワード、ユーザーが前後にアクセスしたサイトなどが収集できます。
ただし、アクセスの少ないサイトの場合は情報が少なく、参考にならない場合もあるので注意しましょう。

ユーザテストExpress

ユーザテストExpressは、株式会社ポップインサイトが提供しているリモートユーザーテストウールです。
有料にはなりますが、実際にサイトへアクセスしたユーザーがどのような行動を取るのかが動画で分かるので、自社サイトはもちろん、競合サイトの使い勝手等について調べる際に非常に便利です。

おわりに

競合調査はECサイト運営において非常に重要な作業です。新しい発見に出会えることもありますし、自社サイトの思わぬ弱点に気づくこともあるでしょう。
こうした“気付き”こそが、繁盛するECサイトには欠かせない要素であることをぜひ覚えておいてください。