ECサイトの運営者が陥りがちなミスの一つが、CPAを低下させることへの過剰な意識です。
サイトの利益を増加させるためにCPAを落とすことは確かに重要ですが、その部分にのみ意識を集中させることは考えものです。
こちらでは、ECビジネスにおいて重要となるゴールの設定についてお話します。

あなたのサイトの目標は何?

ECサイトのゴールと聞いて、何を思い浮かべるでしょう?
おそらく、最大のゴールは、「売上の向上」となるでしょう。非常にシンプルなゴールであり、改めて考えるまでもありません。
マーケティングにおいてこうした大きなゴールは「KGI(Key Goal Indicator)」と呼ばれます。これに対してゴールの達成のために必要となる具体的なプロセスの指標が「KPI(Key Performance Indicator)」です。大きなゴール達成のための、小さなゴールと考えてもいいかもしれません。ECサイトの運用においては「売上を2倍にする」といったKGIに対して、「集客数を1.5倍にする」「コンバージョン率を2倍」にするといったKPIが定められます。
サイトの運用においては、具体的なKGI、KPIを定めることが極めて重要です。冒頭に申し上げたCPAの低下は、KPIの一つであり、KGIではありません。一つのゴールにこだわらず、様々なプロセスから最終的な大きなゴールを達成しようとする姿勢が大切です。

よくある目標設定の悪い例

売上を向上できないECサイトの多くは、ゴール設定の方法を誤っています。以下では、ゴール設定の悪例を3つご紹介しましょう

具体性に欠ける

例えば「集客数を増加させる」というゴールを設定したとします。このゴールは具体的とは言えません。有効なものを策定するなら「集客数を1.5倍にする」など具体的な数字が必要です。多くのサイトは具体性のないゴールを設定してしまうがために、講じる施策が曖昧なり、計画が破綻してしまいます。

現実的ではない

大きなゴールを掲げるのは悪いことではありませんが、サイトの運用においてはどう考えても達成が困難なゴールは有効とは言えません。現実的に考えて達成可能なゴールを立て、順序立てて課題をクリアしていくべきです。

細分化されていない

KGIを達成するための小さなステップは、可能な限り細分化されていることが望ましいです。最終的なゴールが大きければ大きいほど、小さな段階を確実にクリアしていかなければなりません。多くのサイトは十分に細分化されておらず、目標達成が頓挫してしまいます。

ケース別の適切なゴール設定とは

続いてはケース別に適切なゴール設定の方法を考えてみましょう。サイトの状況を打開する具体的な施策を検討している方は参考にしてください。

売上をアップさせたい

売上をアップさせたい場合、まず「いつまでに」「どれだけ」アップさせたいのかを考えます。ここで定めた具体的な数字がKGIとなるものです。次に、その数字の達成に向けてプロセスを細分化させていきます。コンバージョン率の増加、客単価の増加などがその例です。それぞれにしっかり数字のゴールを定めましょう。

サイトをブランディングしたい

サイトのブランディングをゴールとする場合、ブランドイメージをどのような基準で測るのかを考える必要があります。この場合の分析も、曖昧さを排除しなければなりません。計測できる指標を分析に用いましょう。自社のブランド力を「見える化」するために、アンケート等を行っていいかもしれません。他には、PVや訪問数といったデータも、ブランド力を把握する基準となります。後はこれらに必要なプロセスを見極め、施策を講じていくことになります。

サイトの信頼度を高めたい

サイトの信頼度はユーザーのリピート率から知ることができます。また、離脱率が低い場合は、ユーザーに安心感を与えられていない証拠です。信頼度を高めたい場合は、こうした要素の改善を目指しましょう。

まとめ

そもそも、Webサイトのゴール設定は難しいもの。Web上にはゴールを定めず運用を続けているサイトも珍しくありません。もちろんそうした運営で成功を収めているケースもあります。
しかし、しっかりとしたゴールが合った方が、成功率が高まるのは言うまでもありません。ゴールなしで成功しているサイトも、ゴールがあればさらなる成功を勝ち取っていたかもしれないのです。
ECサイトを運営している方は、今回の内容を参考に、今一度サイトのゴールを見つめ直してください。ゴールだと思っていたものが、見当違いなことに気づくかもしれまえせん。
また、無理なゴールを設定していたと気づくこともあるでしょう。冒頭に申し上げたCPAへのこだわりは、まさにそうした見当違いの例です。
覚えておいて頂きたいのは、Webサイトは継続していくものだということです。目標達成の繰り返しで、サイトの力は強くなっていきます。サイト運営は粘り強くゴール達成を繰り返していくことが大切です。
そのことを頭に入れつつ、サイトの運営を続けていきましょう。