「リターゲティング広告」は、リスティング広告、アフィリエイト、メールマガジンなどと並び、
ECサイトにおけるマーケティングの代表的な手段です。
確実性が高い手法として普及していますが、実際の効果はどの程度なのでしょうか。
こちらでは、リターゲティング広告の概要やECサイトにおけるリターゲティング広告の効果について検証していきます。

リターゲティング広告とは

リターゲティング広告とは、一度ECサイトに訪れたユーザーの動きを追跡し、ユーザーが閲覧する他のサイトの広告欄にWeb広告を表示させるマーケティング手段です。
「リタゲ」や「リマーケティング広告」とも呼称されています。検索結果ページの上位に表示される「リスティング広告」と並び、ECサイトのマーケティング手段としては一般的な方法の一つです。
サイトに興味を持って来訪するユーザーであっても、初回の来訪時には商品購入や会員登録をすることなくサイトを離れていくことが多くあります。
リターゲティング広告を発信する対象となるのは、そうした「一度は興味を持ってくれたユーザー」です。繰り返しユーザーにアピールすることから、確実性が高い広告と考えられています。

「コンバージョン」でリターゲティング広告の確実性を考える


リターゲティング広告は確実性が高い手法として人気です。
そもそもWeb広告の「確実性」とは、どのように考えればいいのでしょうか。一つの指標となるのが、「コンバージョン」というコンセプトです。
コンバージョンとは、ECサイトにおいて顧客がおこす特定のアクションです。ECサイト運営側にとっての成果や成約と考えてもいいでしょう。
具体的には、ユーザーによる商品の購入、会員登録などがコンバージョンに該当します。
サイトの来訪者数に対して、どの程度のユーザーがコンバージョンしているのかを表すのが「コンバージョン率(CV率)」です。

当然、ECサイト側にとってはCV率を伸ばしていくことが目標の一つとなります。
リターゲティング広告をはじめとする広告活動は、CV率の向上を目的として行われるアクションです。
広告の展開後にCV率が向上していれば、その広告は効果的と考えられます。
リターゲティング広告の場合、2回目以降に来訪したユーザーのCV率が高ければ、成果をあげていると言えるでしょう。

上述したとおり、ユーザーが初回のサイト訪問時に商品を購入することはあまり多くありません。
実際の成約までには、2回、3回とサイトを閲覧します。その間に、更に魅力的な商品やサービスを展開しているサイトを見つければ、ユーザーはそちらに流れていくでしょう。
日を追うごとに紹介来訪時の興味を忘れてしまうケースもあります。
リターゲティング広告のメリットは、ユーザーに他のサイトを閲覧する隙や、サイトを忘れる隙を与えず訴求できる点です。
ユーザーを2回、3回とサイトに誘導できれば、自ずとコンバージョン数は増えていきます。
リターゲティング広告が「確実性の高い広告手段」として認識されている背景には、こうした理由があるのです。

リターゲティング広告の注意点

ここまで見てきたように、リターゲティング広告は確実性の高い広告手段です。
しかし、これはあくまで理論上の話。実際には、気をつけなければならない点や、過信できない理由が存在します。

即効性は期待できない

リターゲティング広告は成約に結びつくという点では確実性の高い広告手段ですが、展開してからすぐに効果が出るわけではありません。
実際に成果が出るまでには、長い道のりが存在します。時間をかけて取り組まなければならないことは覚えておいたほうがいいでしょう。

やり過ぎは禁物

リターゲティング広告をあまり好ましく思わないユーザーもいます。
また、同じ広告が行く先々のサイトで何度も表示されると、ユーザーは辟易してしまうでしょう。
ユーザーの動きを追跡して訴求するのがリターゲティング広告の特徴ですが、その手法はストーカーと紙一重です。
広告が表示される頻度は調節し、決してやり過ぎのないように気をつけるのが賢明です。

バナーは魅力的に

単に繰り返し広告を表示することで、ユーザーに対して訴求できるわけではありません。
一度、興味を持ってくれたユーザーに向けて発信するとはいえ、表示されるバナーはアテンションを惹きつけられるように設計する必要があります。
何度も表示されることを考えると、「飽き」を避けるために複数のバナーを用意しておいたほうがいいでしょう。

おわりに

いかがでしょう。リターゲティング広告の概要や効果、確実性についておわかりいただけたのではないでしょうか。
その力を過信することなく、時間と手間をかけてコミットすれば、リターゲティング広告によって多くのコンバージョンが生み出されるはずです。
リスティング広告や他のディスプレイ広告など新規顧客へとアピールする手法とあわせ、リターゲティング広告を適切に活用してください。


参考URL:
(http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2011/05/09/10219)