ECサイトを利用するユーザーが商品をカートに入れたのにもかかわらず、そのまま決済せずにサイトを離れてしまうことを「離脱」と呼びます。
離脱件数は「失った販売チャンスの数」と同義です。集客数が多いのにもユーザーが決済せずにサイトを離れてしまうことに、頭を悩ませているECサイト運営者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ユーザーが決済に至らない具体的なケースを3つご紹介します。

あなたのサイトは大丈夫ですか?


「サイトの集客者数に対して、商品の購入が少ない」という事態に対しては、あらゆるサイトの運営者が危機感を持つべきと言えます。売上が不足している場合はもちろんですが、見かけ上の売上が十分なケースも例外ではありません。一旦にカートに商品を入れたのに購入しなかったということは、購入を踏み止ませる要素があったということです。
商品に興味を持ったユーザーが何らかの要因によって購入を止めてしまうのですから、これほど残念なことはないでしょう。
離脱は、単なる一時的な販売機会の損失ではありません。一度、購入を止めた経験があると、ユーザーはそのサイトを利用しなくなってしまいます。また、サイトに悪い印象を持ってしまった場合には、周りのユーザーに悪評を広めてしまうケースも考えられます。こうした理由から、魅力的な商品を展開し売上が十分に確保できえているサイトでも、「カートに入れた件数に対してどれだけのユーザーが購入をやめているのか」というデータには注目しなければならないのです

意外な盲点とは?

多くのECサイトは、ユーザーの視点に立ってデザインされています。その取り組みは集客の観点からも決して間違っていません。問題なのは、ECサイト側が考える「ユーザー視点」と、ユーザー側の「ユーザー視点」が合致していないことです。
ユーザーは「個人情報の取扱い」「決済時のセキュリティー」「製品・サービスへの保証」といったECサイトの安全面を購入の指標としていることがわかっています。対して、多くのECサイトはサイトデザイン、購入までのスムーズさ、サイト内の導線といった要素に意識を集中させているようです。もちろん、ECサイト側の取り組みも無駄ではありませんが、購入に直接結びつくものではありません。
このように、取り組みのベクトルが間違っているがために、決済数が伸びていないというケースは少なくありません。サイトとしての美しさや使いやすさを維持しつつ、ユーザーに「安心」を提供できているかどうかについても改めて考えてみる必要があるでしょう。

よくあるNG事例

訪問者数に対して決済数が少ないECサイトが陥りがちなNGを3つご紹介します。ご自身のサイトに以下の事例が当てはまっていないかチェックしてみましょう。

最初に表示されていた金額と決済ページの金額が違う

ユーザーが商品の購入を決める最も大きな理由が「価格」です。決済ページの金額がカートに商品を入れたときの金額と違えば、商品に興味を持った「理由」が揺らぎ、ユーザーの頭にはクエスチョンマークが浮かんでしまいます。そして、落胆ともにそのページを離れてしまうのです。
もちろん、ほとんどのユーザーは送料や手数料といった諸費用がかかってくることを理解しています。問題は、最初に表示される魅力的な料金で、ぬか喜びしてしまうことです。表示金額以外の費用発生は、商品ページに明記しておくのが賢明でしょう。また、税込み表示、海外からの輸入商品を扱う場合は日本円での表示など、請求する価格を可能なかぎりわかりやすく表示することも大切です。

セキュリティーへの取り組みが行われていない・明記されていない

個人情報保護の重要性が叫ばれている現在、情報セキュリティーに関する取り組みを全く行っていないサイトは論外です。どんなにニッチな商品・サービスを取り扱う小規模なECサイトでも、個人情報を厳重に取り扱っていることは前提となります。
また、いかに配慮が行き届いていても、ユーザーにそのことをアピールしていなければ安心感を与えられません。セキュリティー・プライバシーのポリシーを明記したページを設けるのはもちろんですが、決済の前には改めてサイトの安全性を伝えたほうがいいでしょう。

返品に関してのポリシーがない

商品を手にとって確認できないネットショッピングでは、多くのユーザーが返品を視野に入れています。そのため、返品ポリシーが明記されていないECサイトは利用しづらい印象を与えてしまうようです。
返品は運営側にとってあまり望ましい事態ではありません。意図的に返品ポリシーのページを設置していないケースもあるでしょう。しかし、それで失ってしまう販売機会を鑑みると、しっかりとした返品ポリシーが必要です。商品に自信があれば、実際の返品をそこまで警戒することはありません。

まとめ

集客が多いサイトも少ないサイトも、ユーザーが商品を購入せずにサイトを離れてしまう理由を考えてみましょう。
ユーザーの目線から考えると、意外な見落としポイントが存在するかもしれません。